【ガイドライン8】レーシック手術後の経過観察

8.術後の経過観察について

 

翌日には必ず細隙灯顕微鏡による観察を行って異常をチェックする。その後も必要に応じて経過観察するが、スクリーニング検査で挙げた項目については経時的に評価すべきである。原則として、個々のパラメータが安定するとされる術後6か月目までフォローアップするが、その後も一般検査の中で長期経過を見守ることが望ましい。また、屈折矯正手術については、以下の術後合併症が知られており、これらについても適切に対処する必要がある。

 

(1)疼痛
(2)角膜感染症
(3)ハロー・グレア
(4)不正乱視
(5)ステロイド緑内障
(6)上皮下混濁(主としてPRK、LASEK)
(7)Iatrogenic keratectasia
(8)フラップ異常(LASIK)
(9)Diffuse lamellar keratitis(LASIK)
(10)ドライアイ

 

なお、低矯正に対してenhancement 手術を施行する場合には、屈折状態が非進行性であること、術後に十分な角膜厚が残存することを確認する必要がある。

 

【解説】

 

レーシック施術後の、翌日検査から6ヶ月検査までを義務付ける規定です。レーシックに関連する合併症として具体的な10項目を示しています。

 

 

(1)疼痛

 

レーシックの施術後は、2日程度、軽い痛みが残ることがあります。痛みというよりは、ゴロゴロとした異物感と言った方が適切かもしれません。通常は、クリニックで処方される痛み止めの目薬で症状は緩和されます。また、2〜3日で症状はなくなります。

 

 

(2)角膜感染症

 

感染症予防として、施術前・後に抗生剤を点眼することが有効です。クリニックで処方された目薬を、用法・用量を守って、適切に使用してください。

 

 

(3)ハロー・グレア

 

施術後1〜3ヶ月程度は、夜に街灯や車のヘッドランプを見ると光が膨張してまぶしく感じます。そのため、車の運転などをする際には注意が必要です。通常は、3〜6ヶ月程度で、ほぼ気にならなくなります。

 

 

(4)不正乱視

 

エキシマレーザーを角膜に照射する際に、非常に微妙な凹凸を生じることがあります。この凹凸が原因となって生じる乱視を不正乱視と呼びます。

 

高性能なエキシマレーザーには、不正乱視対策を強化しているものもありますので、心配な場合は、医師に相談してから施術メニューを選んでください。

 

 

(5)ステロイド緑内障

 

レーシックの施術後にクリニックで処方されるステロイド系の目薬で、眼圧が高まる副作用を生じることがあります。翌日検査や1週間検査などをきちんと受けて、医師の診察を受けることが大切です。

 

 

(6)上皮下混濁(主としてPRK、LASEK)

 

PRKやラゼックなどの、フラップを作らない屈折矯正手術で起きる症状で、角膜が白く混濁してきて、見えにくくなってしまいます。

 

通常は、専用の目薬を使うことで症状が改善していきます。フラップを作成する通常のレーシックでは起きません。

 

 

(7)Iatrogenic keratectasia

 

日本語では「角膜拡張」と呼ばれ、フラップを薄くしすぎた場合に角膜が前方に突出する症状です。治療法としては、ハードコンタクトレンズで矯正することになります。適応検査で角膜厚を正確に測定することで、未然に防ぐことが重要です。

 

 

(8)フラップ異常(LASIK)

 

術後のフラップ異常としては、フラップのズレやシワなどが考えられます。いずれも、翌日検査や1週間検査などを受けて、医師に処置してもらえば解決可能です。

 

 

 

(9)Diffuse lamellar keratitis(LASIK)

 

日本語では「層間角膜炎」と呼ばれます。フラップの内側に炎症を起こす症状で、通常は抗生剤などの点眼で治ります。

 

症状が改善しない場合は、フラップの内側を洗浄するなどの処置が必要なこともあります。

 

 

(10)ドライアイ

 

フラップを作ることで、通常なら、角膜に保持されるはずの水分が蒸発しやすくなります。また、角膜内にある神経を切断してしまい、涙が出にくくなることも原因です。

 

通常は、フラップが安定して、神経が再生してくると、しだいに症状が改善してきます。